地域創成の物語
「人が出会い影響を与え合いながら
社会のために生きた物語」を未来に伝えたい!
ー 未来につながる新しい物語を ー
石井十次、尾上松之助、内田吐夢、大原孫三郎、児島虎次郎、それぞれの方は有名でもこれらの一見何のつながりのないように見える人々が、ジャンルや時代を越えてつながり、ひとつの物語がうまれるのではないか。そんな地域の価値を今によみがえさせる取り組みを2019年から始めました。
そのきっかけは、児童福祉の父、石井十次が日本で最初の自主ドキュメンタリー映画の製作者兼監督でもあったという事実を教えてもらったことでした。ご存じの方も多いかもしれませんが、十次は岡山市門田屋敷にあった孤児院内の風景を映像記録として制作し、
音楽活動写真隊として全国、ときには外国を回って寄付集めを行った時代の先駆者でした。そして、そこから約500
メートルしか離れていない岡山市中島で日本の最初の映画スター尾上松之助が生まれます。松之助はやがて京都で日本映画の父と言われる牧野省三と日本映画の創成期を支えます。人生で都合1000
本の映画に出たと言われる松之助ですが、晩年には貧しい人のために住宅を寄付するなどの多くの社会貢献を行います。そして、現在京都の鴨川公園に「福祉と平和を祈念した人」として当時の蜷川京都府知事によって銅像が建てられ顕彰されています。
なぜこの時代に松之助はこのような社会貢献を行ったのか。貧しい旅役者の苦労の人生を経験したことと併せて、もしかすると、15
歳で岡山を離れるまでに石井十次たちの活動に出会っていたのではないかとそんな仮説に思いを馳せています。
そしてその石井十次と大原孫三郎が運命的な出会いを果たします。また、石井十次の長女友子と児島虎次郎が結婚し、児島は画家としての活躍と併せて大原美術館の礎を築きます。また、さらに中島から500
メートほど離れた岡山市千日前の新岡山市民会館館建設予定地のすぐ前にあった和菓子屋の三男として、戦前戦後の日本を代表する映画監督内田吐夢が生まれています。先ほど名前が出た日本映画の父ともいえる、牧野省三との出会いも含めて、いろいろな方に協力をいただきながら、そのつながりを調べて行きたいと思っています。
福祉、映画、美術、宗教というジャンルを超えた人の出会いが互いに影響を与えながらこの社会を変革していく。そんな物語を発見し、そのゆかりの地を回ることのできるルートを作成し未来につなげることができればと願っています。関心のある方、どうぞご連絡ください。みなさんと一緒に新しい物語を発見していきたいと思っています。
新しい「地域創成の物語」発見の会スタッフ一同